家づくりの知恵 別館

元住宅営業マンの今だから話せる家づくりの話

家づくり失敗例~土地の失敗編~

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こんにちは元住宅営業マンのアンディです。

 

本日も雑誌には載っていない生きた情報をお伝えします。

 

本日は本当にあった家づくり失敗談

~土地の失敗編~です。

先人の経験した

こんなはずじゃなかった。

を教訓にして学んでいきましょう。

 

 

Bさんのお人柄

本日は高齢の親の世話をするために実家の近くに

土地を購入してそこに建築を計画したいという

Bさんのお話です。

Bさんは一部上場の大手電機メーカーに勤める

かなりの勉強家の方で、出会った段階で家づくりの知識を

独学で勉強さなっており多くの知識をもっていました。

家づくりの本にこう書いてあったと本の内容が

絶対と思いこんでおり、本に書いていることと違う話をすると

そんなはずはないと営業マンを信用してくれず、

土地の話や、お金の話をしようとすると

土地は不動産屋、ローンは銀行に聞くから

ハウスメーカーの人間は家の話だけすればいい

といってなかなか深い話や、計画の全体像を話して

いただけないお客様でした。

 

そんなBさんでしたのである日突然私の携帯に電話してきて、

土地を購入したので明日モデルハウスに行くから

土地の資料を渡すのでプランを作れとのこと。

ひとまず翌日約束の時間に土地資料をもって現れました。

資金面もご自身で銀行ローンの事前審査を降ろしており

A4のコピー用紙に今回の計画の予算計画と

プランの要望をまとめたものを渡され、この内容でプランを

作れとのこと。

同じコピーを他社にも渡してプランを進めていくとのことでした。

プランができ次第連絡をすれば打ち合わせの時間を

取ってくれるとのことでお茶に手も付けずさっさと

立ち去っていきました。

 

購入した土地を見に行く

まずはBさんの持参したA4の資料に目を通し

予算面での計画の可否を確認して

Bさんの計画が実現可能なものとして組まれていることに

感心しながらも、いくら勉強しているとはいえ

素人であるBさん主体で進んでいく計画に不安を感じていました。

 

ひとまず購入したという土地を見に行くことにしました。

土地は南道路の長方形の整形地で75坪のプランを作りやすい

古家付の土地でした。

一方で道路から2.2mほど土地が高くなっており道路側は駐車スペースの奥に

階段と9センチの厚みのブロック積みの擁壁で構成されていました。

 

本には載っていない問題発覚

ここまでの話で建築に携わっていない方は問題点があることに

気づかないはずです。

無理もないです建築基準法がかかわる話になります。

現在の建築基準法上2m以上の擁壁は工作物申請が必要となります。

現在のブロック積みの擁壁も申請済みであればいいのですが

9センチ厚のブロックを使っている時点で強度が確保できないため

申請している可能性はゼロと考えられます。

家を建てる土圧に長期に亘って崩壊しない擁壁が必要なのです。

現在の道路側のブロック積みの擁壁に強度が足りないため

必然的に新築を建てる際には新たに工作物申請をして検査に合格する

擁壁に作り直さないといけないのです。

さらに仮に擁壁をやり直すにしても土地を大きく削り作業をするため日露と

擁壁を建てて土を埋め戻すとその部分の地盤は地盤改良工事が

必須となりそれだけでかなりの出費を要します。

アンディの試算では建築できる状態にするのに350万から400万円程度の

費用が追加で必要であると考えられます。

 

Bさんに報告することに

プランをする以前に計画を大きく揺るがす可能性がある事柄を

Bさんに報告することが先決であることから

翌日Bさんを現地にお呼びして説明することにしました。

 

翌日事実を説明してBさんの予算計画に400万円の追加項目を設けて

資金計画を説明しました。

予想はしていましたがBさんにはなんで今家が建っているのに

建て替えできないのかと激怒されました。

以前と法律が変わっていると説明しても理解いただけず

商談ができる状態でないためBさんとはそれっきりです。

 

1年後Bさんは土地にあった中古住宅をリフォームして

住んでいました。

 

Bさんの失敗に学ぶ

営業マンが嫌いで極力自分で何事も勉強して進めないと

気が済まない人が沢山います。

Bさんもそんな方の一人でした。

営業マンの意見をもっと聞いて相談してくれていれば

きっと、このような結末にならなかったと思います。

Bさんのお世話をした不動産会社の担当も古家付なので

擁壁の話をされなかったか、そもそもBさんがきちんと説明を

聞いてなかったのでしょう。

建築計画は土地があって初めて家が建ちますし、

住宅ローンも家、土地に対してローンを組みます。

住宅の営業マンは土地の購入の時も銀行に融資を受ける時にも

立ち合います。

土地も融資もきちんと滞りなく進んでくれないと家は建たないのです。

だから不動産の知識も必要ですし、住宅ローンも複数の銀行の

情報を常に理解しています。

家づくりの最初から最後まで相談できるのは

住宅の営業マンだけです。

 

家づくりの際はまだまだのうちから是非営業マンと仲良く

なっておくことをお勧めします。

アナタが心を開いてくれれば今家づくりをしなくても

将来の夢に向けて全力でサポートいたします。

当時のアンディだけでなくほとんどの営業マンが

きちんと対応してくれます安心して頼ってください。